神奈川工科大学
 

>入学生の皆様へ

平成24年度入学式学長式辞

学長の小宮でございます。昨日は台風のような荒れ模様でしたが、今日はうってかわり、春爛漫の晴天のもと、素晴らしい入学式となりました。本日の記念すべき良き日に、学長としてお祝いと激励のことばを申し上げます。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
また、ご父母、ご家族の皆様、本当におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。ご多忙の中、お祝いに参列いただきました来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。
本日晴れて学部生1247名、大学院生130名の皆さんを迎えることができました。我々教職員一同、心より歓迎いたします。
さて、皆さんは本日神奈川工科大学学部生、院生としてスタートを切りました。学生時代はこれからの長い人生の準備期間でもあります。どういう自分をつくっていくか、自分づくり人間形成の重要な時期でもあります。いま皆さんが持っている希望やエネルギーを思う存分ぶつけて、有意義な学生生活を送っていただきたいと思います。
はじめに、入学式の機会に皆さんに本学の生い立ちについて知ってもらいたいと思います。本学は来年設立50周年を迎えます。さかのぼること昭和38年、本学の創始者である中部謙吉氏は、当時大洋漁業の社長として日本経済を牽引されておりましたが、今後の日本産業の発展に人材の養成が欠かせないとの思いから、本学の前進である幾徳工業高等専門学校を厚木の地に開学いたしました。第1期生は、機械、電気、工業化学の3学科、入学定員150名でした。なお、高専開学時に名づけられた幾徳の言葉の由来ですが、直接的には謙吉氏の父上中部幾次郎氏の徳に学ぶという意味から幾徳と決めたとお聞きしています。徳は「心が正しく、行いが人の道にあっていること」を意味しますので、幾徳は捕鯨の事業通じて世の中に尽くした幾次郎氏の生き方に学ぼうという思いを表しています。
また、本学はどういう目的で作られたか表したものを建学の理念といいますが、「本学は、広く勉学意欲旺盛な学生を集め、豊かな教養と幅広い視野を持ち、創造性に富んだ技術者を育てて、科学技術立国に寄与するとともに、教育・研究を通じて地域社会との連携に努める」と定めています。建学の理念は本学の出発点ですので、是非知っておいてもらいたいと思います
歴史にもどりますが、その後、昭和50年に4年制の幾徳工業大学に発展し、昭和63年に神奈川工科大学に名称変更し、今日に至っています。開学から49年、建学の理念は今日まで脈々と受け継がれ、現在4学部、11学科、大学院6専攻、学生数約5000名を擁する工科系総合大学に成長しました。
少しホットな報告も加えたいと思います。現在、全国に700あまりの大学がありますが、個々の大学がしっかりとした教育を実施しているかどうか第3者機関による評価が義務づけられています。本学は昨年、評価機関の一つである大学基準協会により審査を受け、教育内容、学生支援、大学経営いずれもしっかりした優れた大学であるとの評価をいただき、この3月21日に合格の判定をいただきました。入学する皆さんにさっそく報告できたこと本当にうれしく思います。
以上、本学の生い立ちについてお話しました。ここからは、皆さんに目指してほしい目標と力をいれて欲しいことについて述べたいと思います。
 昨年3月11日我国は未曾有とも言うべき東日本大震災に見舞われました。本日入学生諸君の中にも家屋などの被害を受けた方もいらっしゃいます。改めてお見舞い申しあげます。震災を通じ改めて自然の力の大きさを認識しましたが、一方で被災地で力を合わせる日本人の絆の大きさに感動します。今後の被災地の一日も早い復旧復興をお祈りしたいと思います。
さて、このたびの震災はじめ、長引く経済不況、少子高齢化社会の到来と我国はいま大きな変革点にいます。ひとことでいえば不透明で羅針盤のない時代です。このような時こそ時代を切り開く技術者の力が必要です。
少し具体例を用いて時代を切り開いた技術者たちの話をしたいと思います。
皆さんよくご存じの小惑星探査機「はやぶさ」の帰還です。最近映画を見て改めて感動しました。7年かけて3億Km離れた小惑星イトカワに着陸し、サンプルを採取し、それを地球に持ち帰るという遠大な計画で、途中では通信の途切れで行方不明になったり、エンジン不良で予定の飛行が遅れるなど大きなトラブルに見舞われますが、技術者たちはあきらめず、知恵を絞り、とうとう探査機を地球に帰還させることに成功します、とくに最後、探査機本体は大気圏に突入する際燃え尽きてしまいますが、カプセルは無事地球に帰って回収される場面では本当に涙が溢れる思いでした。はやぶさの成功は、技術者たちの「失敗をおそれず挑戦する」「困難なときも知恵を絞りあきらめない」「リーダーとメンバーそれぞれの責任を果たす」そして何よりも「人類の未来を開拓する夢をもっている」ことにより成し遂げられたものです。
皆さんもはやぶさの技術者たちが示したように、大きな夢に向かい、挑戦し、厳しい時代を切り開く技術者を目指してほしいと思います。
次に、本学で皆さんに力を入れてほしいことを3つ述べます。
第1に基礎力をしっかり身に着けることです。
 大学の勉強は1年生から4年生、大学院と段階的に学んでいきます。本学では4年間かけて社会人職業人として必要な基礎力をじっくりと身につけます。コミュニケーション力や論理的に考える力、グローバルに活躍するための語学力など、いわば木でいえば根っこ、家でいえば土台となるものです。大事なことは休まず授業で出ることです。こつこつと継続することが大切です。「継続は力なり」、まずしつかり基礎力を身につけてください。
第2は仲間友達づくりです。
キャンパスは勉学の場ですが、人間づくりの場でもあります。授業以外でもサークル活動やボランティア活動、あるいは自主的な研究活動などさまざまな機会に仲間作りをしましょう。いろいろな人と付き合うことにより自分と違った考え方を持つ人がいることや協力してひとつのことを実行していくことで人間関係を学ぶこともできます。なによりもよき友を得られることは一生の宝になります。「一期一会」といいますように出会いを大切にしましょう。是非キャンパスでは気軽に声を掛け合ってください。
第3は興味(夢)を追及することです。
いま皆さんの中には将来こういう技術者になりたいという夢や希望を持っている人、あるいはこれから本学でやりたいことを見つけようと思っている人と思います。本学は皆さんの興味を伸ばす教育プログラムや施設を用意しています。ものづくり体験施設であるKAIT工房には多くの学生が訪れています。また、本学には研究センターやいろいろな分野の150以上の研究室があります。興味に近い研究室を訪ねるのも良いでしょう。教員も気軽に相談に乗ってくれます。自分から積極的に行動することにより、技術の面白さがわかってきます。是非興味を追求してください。
以上、基礎力をしっかり身に付けよう、仲間友達づくりをしよう、興味の追求しようの3点について申しました。皆さんはこのような経験を通して、それぞれの個性を伸ばして、自分作りにチャレンジしていただきたいと思います。
最後に、大学として力を入れていることを申したいと思います。
本学は「学生本位主義の神奈川工科大学」という理念を宣言し、なによりも学生を中心に考えることを基本姿勢としています。その学生本位主義のもと、学生諸君一人一人がしっかりとした教育を受け、キャンパスでの楽しい学生生活を送る環境づくりに力をいれています。そして、本学で学んでよかった、楽しかった、良い思い出が沢山できたと学生諸君から感謝される大学を目指しています。我々教職員はこれからの時代をつくる技術者を目指し、自分づくりにチャレンジする皆さんを心から応援します。
教育面では、社会人としての基礎を4年間かけて身につける全学共通基盤教育、基礎と専門を一体化し応用力を養うユニットプログラム、各専門分野の力をのばす実践プログラムなど、しっかりとした内容の教育プログラムを実施いたします。これらに加えて、教職員のきめ細かい指導体制、キャリア教育・就職支援体制、充実した施設・設備、どれをとってもトップレベルです。安心して勉学に励んでください。
また、生活面では、高校時代と大きく生活が変わって戸惑うことも多いと思います。健康に注意することはもちろんですが、もしわからないことが生じたらなんでも気軽に教職員に相談してください。
以上、本日の入学式にあたり新入生諸君の今後の活躍を期待し、式辞といたします。本日は本当におめでとうございます。

                                                                                平成 24年4月4日

神奈川工科大学
学長 小宮 一三  

>大学院修了生、学部卒業生の皆様へ

学長の小宮でございます。記念すべき日にあたり学長としてお祝いを申し上げます。
あらためて、大学院修了生、学部卒業生の皆さん、学位記授与、おめでとうございます。また、ご列席のご家族の皆様に心より御礼とお祝いを申し上げます。ご多忙の中、お祝いに参列いただきました来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。
本日、本学では大学院生143名、学部生878名あわせて1021名が卒業いたします。立派に巣立っていく皆さんを見て、私ども教職員は本当にうれしく思います。
光陰矢の如しと申しますが、皆さんにとって長いようであっという間の学生生活だったと思います。本日授与された学位記はその間の皆さんの努力の結晶です。目標をやり遂げた感激をいつまでも忘れないで欲しいと思います。また、勉学以外でもサークル活動やボランティア活動に打ち込んだ経験、共に過ごした友人たち、すべて、これからの人生の大きな力となるものです。是非大事にしていただきたいと思います。そして何よりもいままで励まし、ささえてくれたご父母、ご家族に感謝の気持ちをもって、第2のスタートを切ってほしいと思います。なお、長引く経済不況のもと、今般の卒業生の中にも現時点で就職が未内定という学生も少なくありません。本学ではキャリア就職センターを中心にしっかりとした就職支援を継続していく所存ですので、引き続きがんばって欲しいと思います。
さて、本日の門出にあたり、皆さんに目指してほしいことを述べたいと思います。
昨年3月11日我国は未曾有とも言うべき東日本大震災に見舞われました。本日卒業生諸君の中にも実家の家屋の被害を受けた方もいらっしゃいます。改めてお見舞い申しあげます。本学では直接的な被害はありませんでしたが、残念ながら、昨年は学位記授与の式典を挙行することができませんでした。震災を通じて改めて自然の力の大きさを認識しますが、一方で被災地で力を合わせる日本人の絆の大きさに感動します。今後、全国民が力を合わせて復旧・復興に取り組んでいかねばなりませんが、人類の長い歴史をみれば、山あり谷ありの連続でした。私達の先輩達は厳しい時代でも希望を失わず、それを乗り越えてきました。その原動力は若い人の知恵です。知恵とは乗り越える力で人類に与えられた力です。皆さんの先輩達は、知恵によりピンチをチャンスに変え、時代の原動力になったといえます。その例というべき明るい話がありました。
皆さんよくご存じの小惑星探査機「はやぶさ」の帰還です。まさに時代を切り開く快挙といえます。私もつい最近映画を見て改めて感激しました。7年かけて3億Km離れた小惑星イトカワに着陸し、サンプルを採取し、それを地球に持ち帰るという遠大な計画で、途中では通信の途切れで行方不明になったり、エンジン不良で予定の飛行が遅れるなど大きなトラブルに見舞われますが、技術者たちはあきらめず、知恵を絞り、とうとう衛星探査機を地球に帰還させることに成功します、とくに最後、探査機本体は大気圏に突入する際燃え尽きてしまいますが、カプセルは無事地球に帰って回収されるシーンでは本当に涙が溢れる思いでした。まさに、はやぶさは人間の力、科学技術の力を証明してくれました。私たちは東日本大震災で大きな打撃をうけましたが、はやぶさの快挙はピンチは必ず乗り越えられるという希望を与えてくれたと確信します。
震災は大きな試練ですが、ある意味では、少し立ち止まってこれからの時代はなにが大切か、どういう未来をつくっていくのか、皆で考える機会となりました。これからが大切です。私はこれからの時代のキーワードは「幸せ」と思います。「幸せ」とはものの豊かさばかりでなく、心の豊かさがあってはじめて得られるものです。科学技術の分野でいえば医療福祉、情報などの技術を安全安心な社会に役立たせていくこと、石油など有限な資源を使い尽くすことなく、自然エネルギーに替えていくことなどが、その例です。これからは、このような「心の豊かさにつながる技術」が時代の中心になっていくと思います。多くの皆さんはこれから、さまざまな分野でさまざまな職種につきますが、本学で学んだ知識を知恵とし、人々の幸せづくりに貢献できる技術者、職業人を目指して欲しいと思います。
以上、我が国は東日本大震災はじめ厳しい状況にありますが、はやぶさの帰還が示してくれたようにみんなで知恵を絞り、力を合わせ乗り越えよう、そして将来に向い、幸せで心豊かな社会づくりに貢献しようと申し上げました。
最後に、本日学び舎を巣立つ皆さんへ、私ども教職員の幸せは、言うまでもなく皆さんが社会で元気に活躍してくれることです。そしてたまには大学に元気な顔を見せてくれることです。ホームカミングデイや幾徳祭などを利用し、気軽に大学に来て仕事のこと、社会のことなどを話していただけると幸いです。また、仕事に疲れたらいつでも羽を休めに遊びに来てください。私たち教職員はいつまでも皆さんと作る輪を大切にしたいと思っています。
以上、本日の学位記授与式に当たり、皆さんのご健康とこれからの益々のご活躍をお祈りし、式辞といたします。

平成24年3月24日

神奈川工科大学
学長 小宮 一三                                               バス